ユニバーサルメニューの背景・特徴

2014年11月12日

※以下、一部の場合を除き「ユニバーサルメニュー」を「UM」と表記しています。

UMの背景

国・自治体など行政機関のWebサイトは、「見つけたい情報を見つけられない」、「見つけた情報が理解しにくい」という評価を受けることが少なくありません。
背景には行政Webサイトにおける利用者視点の欠如、運用体制の課題、ユーザビリティへの対応不足などがあると考えられます。
行政Webサイトに共通するこれらの課題を解決するために、国、自治体、そして企業、市民間で共有できることを目指して開発された標準メニュー体系が「ユニバーサルメニュー」です。

未曾有の被害をもたらした東日本大震災の際に、震災被害から日本を復興していくための様々な復興支援制度が、国、自治体を中心に作られました。
また、消費税を財源とした子育てに関する国、自治体の支援も増加し、関連する子育て行政サービスの数も増えています。
震災復興、子育てに限らず、こうした行政サービスの重要性は高まっていますが、それを利用者である市民が、その行政サービスを探しあて、そしてその意味を理解しないと、そもそもその行政サービスの利用が高まりません。
一方、最近はオープンデータの取り組みの一環として、自治体や国ではすでに多くの情報を公開しています。しかし、そうした情報が、残念ながらそれだけでは利用しにくいことが多々あります。
よくある例は、行政サービスに関する情報は自治体ホームページ等で公開されている(オープンになっている)が、その情報が「どこにあるか分からず、探せない」、また公開はされている(オープンになっている)が、文章が難しくて「内容が分からない」という状況となっています。

私たちの取り組みは、こうした子育て、震災復興など様々な行政サービス情報に関する「探せない」、「分からない」という課題を解決し、市民の手で、豊富な行政サービスをより利用しやすくし、こうした地域の行政サービスをもっと便利に積極的に活用することで、社会を変えていこうという取り組みです。

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UMの特徴

UMは次の3つの特徴を持つよう設計されています。

1) 利用者にとってよりわかりやすい内容であること

デザインだけでなく、利用者がより身近に感じるメニューの文言、順番、分類等、
サイトの内容面に関する、誰もが利用できる使いやすい設計の手法。

2) 国・自治体間で共有できるメニュー体系であること

根拠法などをベースにした国・自治体間の行政サービスの共通性に着目し、
国・自治体など行政機関の間で共有できるメニュー。

3) 利用者参加のもとに内容をよりよくしていく継続的な活動であること

一部の専門家だけでなく、主婦、学生、シニア、障害者など、そのサイトを実際に利用する様々な利用者の
“ ユニバーサルな参加”を得て行政サービスに反映するツール。

<国・自治体担当者の方へ>

UMは、国、自治体の方にとっては、次のようなメリットがあります。

根拠法に基づいた行政サービスメニューの体系化

自治体が提供する行政サービスの多くは、根拠法に基づいています。この根拠法の共通性に着目することで、どの自治体でも利用できるユニバーサルメニューの体系化を行いました。
その結果、根拠法が変わった場合、UMのベースメニューを直せば各自治体がそれぞれ個別に直す必要性がなくなります。

共通だから際立つ地域の独自性

UMは、メニューの共通化だけが目的ではありません。共通部分に加えて、自治体固有の行政サービスを簡単に加えられることで、自治体の独自性をアピールできることがUMのポイントです。
自治体の独自性は、独自の行政サービスの存在についてだけではありません。全国共通の制度についても、金額の上乗せや、対象者の拡大など、各自治体独自の施策のアピールも目指しています。

ユニバーサルメニューとは、自治体行政サービス向け標準メニュー。特長1:高い網羅性(検索性の高い「情報構造」)。特長2:際立つ地域の独自性(知れば使える地域の行政情報)。特長3:個々人にあわせた情報発信(パーソナル化の実現)。

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UMの設計思想

汎用メニューではなく共有化メニュー

ユニバーサルメニューは、必ずしも汎用化が目的ではありません。
ユニバーサルメニューと、いわゆる「国・自治体向け汎用メニュー」、または単なる規格化だけを主眼に置いた「国・自治体向け汎用メニュー」の目指すところは大きく異なります。

汎用メニューは、英訳するとユニファイドメニュー(Unified Menu)となりますが、ここで、ユニファイルドメニューの「Unified」と、ユニバーサルメニューの「Universal」の
言葉の成り立ちを見ると、その違いが鮮明になります。

「ユニバーサル(Universal)」とは、「普遍的、一般的」というような意味と、「様々な人々の参加によって成される」、「様々な場所で利用できる権利」という二つの意味をもっており、ユニバーサル(Universal)は、皆で共有化でき、活用しようという意味が込められています。

一方、「ユニファイド(Unified)」は、「様々な事柄を、一つに統一すること」であり、
どちらかというと、規格化や標準化など、中央集権型のイメージがあります。

ユニバーサルメニューは、単なる「共通メニューではなく」、国・自治体が活用できる、まさにオープンガバメントで目指しているリユースを後押しするための共有メニューを目指しています。
UMは、国・自治体の共感を得、同様に市民の方の共感を得ながらUMを構築していこうということを意識しており、その上で使い手にあわせた柔軟性を実現することが目的であり、単なる汎用性すなわち画一性はその本質ではありません。

一方、「国・自治体向けの汎用メニュー」ユニファイドメニューは、中央集権型のイメージがあります。これは規格化したものを入れるということで、ユニバーサルメニューとは似ていても大きく異なります。

使い手と作り手を結ぶユニバーサルメニュー

ユニバーサルメニュー構築におけるもう一つの思いは、子育て主婦や学生、シニアといった、まさにその情報を欲しいと思っている利用者が具体的な作り手として携わることで、利用者自身の手でサービスや情報が整理されて使いやすくなることを実現したいということです。

「利用者が作り手になり、作り手がまた利用者になる」ことで、使いやすさの輪を広げていく。
そんな関係を、私たちアスコエのUMは目指しています。

例えばUMを活用して構築する子育てWebサイトにおいては、必ずしも行政サービスの出し手である国や自治体視点だけでは無く、実際の子育て経験のあるスタッフの声をベースにして、子育てに、より密着したコンテンツ設計を行いたいと考えています。
シンプルな事ですが、従来の行政サイトは、国・自治体など行政の「専門家」によって制作されることがほとんどで、行政サービスの「使い手」によって構築されることはまれでした。
UMは、行政サービスに関して、この使い手と作り手をつなぐ、プラットフォームとしての役割も果たします。

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UMの構造

ユニバーサルメニューは、2つの部分から構成されています。具体的には、行政サービスのリストから成る「メニュー」部分、そして各個別行政サービスについての説明部分から成る「コンテンツ」部分の2つから構成されています。
UMでは このメニューとコンテンツにおける、情報の網羅性の担保、及び、分類と階層化・構造化によって、探しやすさと分かりやすさを実現しています。

UM「メニュー」部分について

まず「メニュー」部分については、UMでは、国、自治体において利用できる行政サービスを出来る限り広く網羅するということを主眼に置いています。その際、全国共通かどうかは本質的な問題ではありません。自治体独自のものも含めて、利用者が使える情報(データ)はどんどん載せるというのがその根幹です。
こうしたUMメニューの持つ網羅性により、行政内にある様々な情報の棚卸しや情報構造設計のベースとしての役割も果たすことが可能となります。

ユニバーサルメニューの「メニュー」部分 妊娠出産メニュー

UM「コンテンツ」部分について

続いて「コンテンツ」部分については、例えば、各子育て制度に関する情報がサイトに載っていたとしても、その制度に関する「申請書類」や「申請場所」、「届出人」、「時期」や「手数料」など、これらの情報が掲載されていないと全く意味がありません。
そのような項目について、きちんと構造化したデータとして保持することが、UMコンテンツの特徴です。

UMについては、前述のとおり全て規格化することが目的ではありませんが、こうした個別コンテンツの標準化(これを、「UMコンテンツパターン」と呼んでいます)については、広く参考にしていただける規格になっています。
また、このUMコンテンツパターンを利用して、独立行政法人情報処理推進機構が提唱するIMI語彙基盤における「行政制度に関するデータ構造」として、より詳細な設計を行いました。

IPA語彙基盤について詳しくはこちら

ユニバーサルメニューの「コンテンツ」部分 出産届の例

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参考リンク

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